電気代が安くなる時間は?時間帯によって安くなるプランはある?

電気代が安い時間帯は?時間帯別電灯プランのある電力会社

「電気代が安くなる時間はいつ?」
「時間帯別電灯プランって?」
「時間帯によって安くなるプランは?」

電気代は時間帯によって変わるという事実は知っていても、具体的に「いつ」「どのくらい」安くなるのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

昨今は電気代の値上げが続いているので、電気代が安い時間を把握して節電に役立てたいですよね。

電力会社が提供している時間帯別電灯プランを契約すれば、夜間~早朝(21:00~翌8:00頃)の電気代が安くなります。

ライフスタイルに合わせてプランを選ぶことで、電気代を大幅に節約できる可能性があります。

本記事では、各電力会社が用意している時間帯別電灯プランの詳細や従量電灯プランとの比較を踏まえて、どれくらい電気代が安くなるのか解説します。

時間帯別電灯プランが向いている人やデメリットも紹介するので、ぜひプラン選びの参考にしてください。

電力会社によっては特定の時間帯で電気代が安くなるプランを用意

特定の時間帯に電気代が安くなるプランがある

ほとんどの電力会社は、時間帯によって電気代が安くなる時間帯別電灯プランを提供しています。

時間帯別電灯プランは一般的な従量電灯プラン等とは違い、昼夜で電力量料金単価が変わるのが大きな特徴です。

項目時間帯別電灯プラン従量電灯プラン
電力量料金単価時間帯で変化電力使用量で変化
昼間の電気料金高い一定
夜間の電気料金安い一定

東京電力や関西電力などの大手電力会社はもちろん、新電力会社にも上記のような時間帯別電灯プランは用意されています。

中には「季節別時間帯別電灯」や「ピークシフト電灯」というプランが用意されている場合もありますが、いずれも夜間に電気代が安くなる点は共通しています。

  • 季節別時間帯別電灯プラン
    →電気が多く使われる夏季(7~9月頃)の日中に電気料金が高くなり、その他の時期・時間帯は安くなる
  • ピークシフト電灯プラン
    →夏季のみ時間帯をピークタイム・昼間・夜間に3分割し、ピークタイム以外の時期・時間帯は電気料金が安くなる

多くの人が電気を使う夏季や日中の時間帯以外の電気使用を促して、電力不足の予防や電力需要が偏らないようにしているわ。

時間帯別電灯プランで電気代が安くなる時間帯

特典の時間帯で電気代が安くなる

時間帯別電灯プランで電気代が安くなる時間帯は電力会社により異なりますが、21:00~8:00の間に設定されていることが多いです。

対象の時間帯の電力量単価も電力会社によってバラバラで、大手電力会社だけで比べても該当プランの数や内容は多岐にわたります。

電力会社名プラン名時間帯対象時間帯の
電力量単価
東北電力よりそう+ナイト&ホリデー22:00~8:0027.27円
東北電力よりそう+スマートタイム22:00~8:0029.86円
東京電力EP夜トク823:00~7:0031.64円
東京電力EP夜トク1221:00~9:0033.33円
東京電力EPスマートライフS(L)1:00~6:0027.86円
中部電力ミライズスマートライフプラン0:00~8:0016.52円
北陸電力くつろぎナイト1220:00~8:0026.98円
関西電力はぴeタイムR23:00~7:0015.37円
関西電力eスマート1022:00~8:0015.53円
中国電力ナイトホリデーコース21:00~9:0034.65円
中国電力電化Styleコース21:00~9:0030.35円
四国電力でんかeプラン23:00~9:0033.78円
四国電力でんかeマンションプラン23:00~9:0031.99円
四国電力時間帯別eプラン23:00~7:0025.79円
九州電力電化でナイト・セレクト21:00~7:00
22:00~8:00
23:00~9:00
14.59円
九州電力おひさま昼トクプラン10:00~16:00(夏冬)13.47円
(春秋)12.37円
沖縄電力Eeホームホリデー
Eeホームフラット
23:00~7:0028.79円
沖縄電力時間帯別電灯23:00~7:0029.66円

各社ともに時間帯別電灯プランの夜間~早朝は、従量電灯プランの最安単価より安い単価を設定しているケースが多いです。

そのため電気を使う時間帯が夜間に集中している家庭なら、時間帯別電灯プランに変更することで大幅に電気代を節約できるでしょう。

東京電力EPの「スマーライフS」などはオール電化住宅向けのプランですが、時間帯別電灯プランと同じく夜間は電気代が安くなるぞ。

時間帯別電灯プランと一般プランの料金差

時間帯別電灯プランと従量電灯プランの料金差

東京電力EPを例に、時間帯別電灯プランと従量電灯プランの電力量単価を比較しました。

プラン名時間帯対象時間帯の電力量単価
夜トク823:00~7:0031.64円
夜トク1221:00~9:0033.33円
従量電灯B24時間~120kWh:29.80円
120超~300kWh:36.40円
300kWh超~:40.49円

従量電灯Bの第1段階料金と比べると、夜間でも夜トク8(12)はやや割高です。

しかし従量電灯Bの第3段階料金と夜間の夜トク8では9円弱もの料金差があることから、電気を多く使う家庭ほど時間帯別電灯プランのメリットを得られます。

では実際に、1ヶ月で260kWhの電気を使った場合を想定してどれくらいの料金差が出るのか、3パターンに分けて紹介します。

電力使用割合夜トク8夜トク12従量電灯B
昼0:夜107413.49円7852.89円8538.65円
昼2:夜87983.41円8416.05円8538.65円
昼5:夜58838.29円9260.79円8538.65円

燃料費調整額や再エネ賦課金は、2024年6月分の金額で計算しているわ。
また従量電灯Bプランは、30A契約を想定した試算結果よ。

電気の使用が夜間中心なら時間帯別電灯プランの方が電気代は安くなりますが、日中と夜間の電力使用量が半々くらいの場合は、従量電灯Bプランの方がお得です。

「夜に電気を使うから」という理由だけで時間帯別電灯プランにすると損をする可能性があるので、夜間の電力消費量も考慮してプランを選びましょう。

時間帯別電灯プランが夜間に安くなる理由

時間帯別電灯プランが夜間に電気料金が安くなる理由

時間帯別電灯プランの電気代が夜間に安くなる理由は、夜間に余る電気を有効活用してもらうためです。

そもそも電気料金は、需要と供給のバランスで決まります。

昼間は多くの人が電気を使うので電気料金が高くなりますが、夜間は就寝する人がほとんどなのであまり電気は使われず、料金は安くなるわ。

一方で発電量は昼間も夜間も変わらないため、電力需要の低い夜間は電気が余ってしまいます。

電気事業連合会が発表したデータを見ても、50年ほど前から電気の使われ方の傾向は変わっていません。

1日の電気使用量の推移
引用元:電気事業連合会

上記の電力使用量グラフを見ると、ほぼ全ての年代で15時ごろを頂点にした放物線に近い形を描いています。

電力会社はこの放物線を直線に近づけるために、時間帯別電灯プランを用意して夜間の電気使用を促しているのです。

夜間の電気使用が増えれば電力会社は余った電力を安価に提供でき、消費者はライフスタイルに合わせてお得に電気を使えます。

時間帯別電灯プランは、電力会社と消費者の両方がメリットを得られる合理的なプランだよ。

時間帯別電灯プランの注意点

時間帯別電灯プランを契約する際の注意点

時間帯別電灯プランを契約する前に知っておきたい注意点を解説します。

  • ライフスタイルによっては料金が高くなる
  • 消費電力の大きい家電を安くなる時間帯に使う
  • 電力会社を比較して決める

従来の料金プランとは異なる部分が多いため、お得に利用する方法を把握したうえで時間帯別電灯プランを検討しましょう。

ライフスタイルによっては料金が高くなる

時間帯別電灯プランの電力量料金単価は基本的に夜間に安くなり、日中は従量電灯プランより割高に設定されています。

そのため、ライフスタイルによっては1ヶ月の電気代が高くなる恐れがあります。

例えば、平日昼間はほとんど家にいなくても休日の日中は家で生活する人の場合、時間帯別電灯プランにするメリットは薄いかもしれません。

契約中の電力会社のマイページでは、1日にどれくらいの電気を使ったのかが時間帯別に分かるわ。

昼間と夜間の電力使用量にどれくらいの差があるのか、よく確認しておこうね。

自身のライフスタイルと電気を多く使う時間帯を把握して、時間帯別電灯プランが本当にお得か判断してみてください。

消費電力の大きい家電を安くなる時間帯に使う

時間帯別電灯プラン契約中は、消費電力が大きい家電を意識的に料金が安くなる時間帯に使用すれば、節約効果が高まります。

ほぼ毎日使う家電の中にも消費電力の大きいものはあるので、日中に動かす必要のないものは極力夜間に稼働させるようにしましょう。

家電消費電力
電気温水器4.400W
IHクッキングヒーター
(200V)
2,000~3,000W
ドラム式洗濯機
(乾燥時)
1,300W
アイロン1,200~1,400W
ドライヤー1,200W
掃除機(強)1,000W
エアコン
(暖房)
660W
(起動時:2,000W)
エアコン
(冷房)
580W
(起動時:1,400W)

エアコンは夏季も冬季も使用割合が多く消費電力も大きいので、使わない時は忘れずに電源OFFにしておこう。

電力会社を比較して決める

電力会社を選ぶ際は料金やキャンペーンなどでしっかり比較する

時間帯別電灯プランは大手電力会社のほか新電力会社でも提供されていて、各社でプラン内容や特徴が異なります。

以下のポイントを比較して、自分に最適なプランを選びましょう。

  • 料金が安くなる時間帯・料金単価
  • ポイント制度などの独自サービス
  • キャンペーン・特典
  • 口コミ・評判

電力会社の中には、ガスとのセット割を実施しているところもあるわ。

各種キャンペーンやキャッシュバックなども考慮して、電気代がいくら安くなるのか試算してみよう。

サポート体制や受付対応などを知りたい場合は、契約者の口コミや評判も参考になります。

電気は生活に欠かせない存在なので、停電や故障など万が一の事態が発生しても迅速に対応してくれるか、確認しておきましょう。

時間帯別電灯プランに向いている人

時間帯別電灯プランに向いている人

時間帯別電灯プランに向いている人をまとめたので、自分の生活環境と照らし合わせてみましょう。

  • 日中は家に不在で電気を使わない
  • オール電化住宅で暮らしている
  • 蓄電池を導入している

上記のうち1つでも当てはまるものがあれば、ぜひ時間帯別電灯プランへの変更を検討してみてください。

日中は家に不在で電気を使わない

時間帯別電灯プランは基本的に夜間に電気代が安くなるプランなので、日中は家に不在で電気をほとんど使わない家庭にぴったりです。

一般的な家庭では、帰宅や食事の時間が重なる夕方ごろに大量の電力を消費する傾向にありますが、この生活リズムに当てはまらない人が時間帯別電灯プランに向いています。

例えば1人暮らしで夜型の生活をしている人は、時間帯別電灯プランの方が電気代が安くなる可能性があるよ。

ただし昼間は家に不在でも、エアコンなどの家電を稼働させていると消費電力が多くなるので、気を付けましょう。

オール電化住宅で暮らしている

電気を使う時間帯を制御できるオール電化住宅は、時間帯別電灯プランとの相性が良いです。

オール電化住宅とは

家庭に必要なエネルギーを、全て電力で賄っている住宅のことです。

一般的な家庭ではガスを使うキッチンのコンロや湯沸かし器などを電気機器で代用することで、家庭の消費エネルギーを電力に一本化しています。

例えば蓄熱暖房機は、電気代が安い夜間に熱を貯めておき、日中に電気を使わずに部屋を暖められます。

他にも夜間にお湯を沸かしておけるエコキュートなど、オール電化住宅は節電がしやすいシステムが整っています。

オール電化住宅にするための初期費用は高額ですが、長い目で見ると光熱費の節約効果は高いので、導入予定の人は予算と相談してみましょう。

電力会社の中には、オール電化住宅向けのプランを提供しているところもあるわ。

時間帯別電灯プランよりお得に電気を使える場合もあるので、比較してみてね。

蓄電池を導入している

蓄電池を導入している住宅は電気料金が安い夜間に充電できるので、時間帯別電灯プランが向いています。

蓄電池とは

電気を貯めておける充電設備です。

大きさはエアコンの室外機に近いので、一般住宅でも無理なく設置が可能です。

電気代の節約はもちろん、万が一の災害時にも役立つため近年注目を集めています。

夜間に貯めた電力を日中に使用すれば、昼間は電力を消費せずに家電などを稼働させられます。

またソーラーパネルと組み合わせれば、蓄電池で家中の電気を賄い、太陽光発電で生まれた電力を売電することも可能です。

蓄電池・太陽光発電ともに導入には多大なコストが必要ですが省エネ効果は抜群なので、将来を見据えて設置するのも1つの方法です。

コストが心配な人は、子育てエコホーム支援事業などの補助金制度の利用も検討してみよう。

電気代の安い時間帯に関するよくある質問

電気代の安い時間帯に関するよくある質問

電気代の安い時間帯のよくある質問と回答をまとめました。

特定の時間帯のみ電気代が安くなるプランはある?
ほとんどの電力会社では、特定の時間帯のみ電気代が安くなる時間帯別電灯プランを用意しています。
対象の時間帯は夜間の場合が多く、夜間以外の電力量料金単価が高く設定されているのが特徴です。
>> 時間帯別電灯プランについて詳しく見る
電気代が安くなる時間帯は?
時間帯別電灯プランが安くなる時間帯は、21:00~8:00の間に設定されている場合が多いです。
電力会社により対象の時間帯や電力量料金単価は異なるので、公式サイトなどでチェックしておきましょう。
また従来の従量電灯プランを契約している場合は、夜間でも電気代は安くならないので注意してください。
>> 時間帯別電灯プランが安くなる時間帯を詳しく
東京電力で電気代が安くなる時間帯はいつ?
東京電力EPでは、夜間に電気代が安くなる2つのプランが用意されています。
・夜トク8
→23:00~7:00に31円64銭/kWh
・夜トク12
→21:00~9:00に33円33銭/kWh

どちらも夜間を中心に電気を使う人におすすめですが、昼間の電力量料金単価は従量電灯Bプランより割高です。
時間帯別の電力消費量やライフスタイルを考慮し、電気代が安くなるか試算してみましょう。
>> 東京電力EPの電気代試算結果を詳しく見る

まとめ

最後に、電気代が安い時間についてもう1度おさらいしましょう。

  • 電力会社には、特定の時間帯のみ電気代が安くなる時間帯別電灯プランがある
  • 時間帯別電灯プランで安くなる時間帯は夜間~早朝
  • 夜間に電気代が安くなる理由は、供給量に対して需要が少ないため
  • 時間帯別電灯プランは昼間の電気代が高いので注意
  • 時間帯別電灯プランは日中に家を不在にしている人におすすめ

時間帯別電灯プランは夜間に電気代が安くなりますが、昼間の電力量料金単価は従量電灯プランより高いです。

そのためライフスタイルによっては電気代が高くなる恐れがあるので、プラン変更は慎重に行う必要があります。

オール電化住宅など夜間に家電を稼働させられる環境なら、日中は家にいる場合でも時間帯別電灯プランが向いている可能性が高いわ。

「夜に安くなる」というイメージだけでプランを選ぶのではなく、本記事も参考にしながらしっかり試算をして節電対策をしましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。