供給地点特定番号とは?

電力会社の乗り換えに必須!供給地点特定番号とは?

「供給地点特定番号とは?」
「電力会社の切り替え手続きに必要?」
「供給地点特定番号の調べ方は?」

電気料金の高騰などから、電力会社の切り替えを検討している人もいるでしょう。

しかし手続きに供給地点特定番号が必要と聞き、供給地点特定番号とは何か、またどのように調べたらよいかなど、疑問を抱えている人も多いのではないでしょうか。

供給地点特定番号は、電気を使用する地点ごとに付番される22桁の番号です。

現住所の供給地点特定番号は、契約中の電力会社に問い合わせすると分かりますよ。

本記事では、供給地点特定番号とは何か、また調べ方や注意点について解説します。

供給地点特定番号への理解をしっかりと深めて、電力会社をスムーズに乗り換えましょう。

供給地点特定番号とは

供給地点特定番号とは?

供給地点特定番号とは、電気を使用する地点を特定するために設けられた22桁の番号です。

下記の特徴から、供給地点特定番号さえあれば、電力の使用地点を正確に特定できます。

  • 電力の供給地点ごとに固有の番号が割り振られている
  • すべての電力会社で番号が共有されている

供給地点特定番号が導入されたきっかけは、2016年4月から始まった電力小売全面自由化です。

電力小売全面自由化とは?

電力小売全面自由化とは、電気の小売業への参入が全面的に自由化されたことにより、すべての消費者が電力会社や料金プランを自由に選べるようになった法改正や制度変更のことです。

電力小売が自由化されるまでは、一般の消費者が契約できるのは各地域の旧一般電気事業者(東京電力、関西電力など)のみでしたが、2016年4月からの法改正によって、誰でも電力会社を自由に選択できるようになりました。

電力小売全面自由化までは、利用者は電力会社を乗り換えられませんでした。

そのため、各電力会社は契約者や電気の利用場所の情報を他社と共有する必要がなく、各社独自の「お客様番号」で契約情報を管理していました。

しかし電力小売全面自由化によって電力会社を自由に乗り換えられるようになったため、電気を使用する地点や契約者の情報をスムーズに把握し、手続きを円滑に行えるよう、統一的な規格である供給地点特定番号が新たに設けられました。

供給地点特定番号は「電気の住所」と覚えておくといいよ。

電力会社の契約の切り替えに必要

電力会社の契約の切り替えに必要

供給地点特定番号は、電力会社の切り替えの際に必要です。

各住所に対して固有の番号が振られており、すべての電力会社で共有して使用されているため、どの電力会社も供給地点特定番号さえあれば、住所を特定できます。

乗り換え先の電力会社は、供給地点特定番号によって電力を供給する住所を特定するほか、契約者情報との整合性を取るために利用します。

電力会社が、「この部屋で間違いない!」と確信を持って乗り換え手続きを進めるために、供給地点特定番号が必要なんだ。

計画停電情報の確認にも利用

計画停電情報の確認にも利用

供給地点特定番号は、計画停電の確認にも利用できます。

計画停電とは?

計画停電は、大災害などによって電気の需要が供給を大きく超えると予想される場合に行われる計画的な停電のことです。

計画停電では電力会社の管内のエリアをグループ化し、2〜3時間ごとに順番に停電を実施します。

たとえば東京電力が過去に実施した計画停電では、実施予定は専用ページで公開され、住所を入力することで属するグループを検索できました。

住所によっては複数のグループで表示される場合があるなど、詳細な情報の確認が難しい場合もありますが、この場合も供給地点特定番号で検索することで、正しいグループを特定できます。

計画停電の専用ページは、平常時は非公開にされていることがほとんどよ。

大規模災害などで停電の可能性が生じた場合は、供給地点特定番号を使って正確な情報収集につとめましょうね。

供給地点特定番号は大切な個人情報

供給地点特定番号は大切な個人情報

供給地点特定番号は個人情報なので、しっかりと管理しましょう。

供給地点特定番号は住所を示す固有の番号なので、住所を逆引きできます。

インターネット上などに公開すると思わぬ個人の特定につながる可能性もあるため、慎重に管理しましょう。

供給地点特定番号は請求書や検針票にも記載されているわ。

画像をSNSなどにみだりに公開しないようにしてくださいね!

各電力会社の個人情報保護方針、取扱い方針でも、供給地点特定番号は個人情報として定義されています。

供給地点特定番号の漏洩から第三者に契約会社を無断変更された事例

供給地点特定番号の漏洩から、電力会社を無断で変更されてしまった事例もあります。

この事例では、事業者からの電話営業のなかで供給地点特定番号を伝えてしまったところ、無断で電力会社の契約を変更されてしまい、本人は契約書類の到着まで気付きませんでした。

知らない事業者から「今よりも電気料金が安くなる。電気料金の明細を教えてほしい」と電話があった。よく分からずに言われるまま検針票に書かれた番号などの情報を伝えると、封書が届いた。数日後、「書類は届いているか」と電話があり、そこで初めて封書は電気契約の切り替え手続きの書類であったこと、1週間前の電話で契約の申込みをしたことになっていたことが分かった。(60歳代 女性)

いつの間にか切り替えに 電気の契約切り替えトラブル|国民生活センター

このように、供給地点特定番号が第三者に漏洩した場合、電力会社の契約にかかわるさまざまなことで悪用される可能性があります。

自宅でも、供給地点特定番号が記載されている請求書や検針票をテーブルの上に置きっぱなしにしないなど、しっかりとした管理を心がけましょう。

供給地点特定番号を聞き出そうとする電話営業や訪問営業には要注意!

請求書や検針票の表示から狙われる事例が多いので、気をつけてくださいね。

引っ越し先の供給地点特定番号の調べ方

引っ越し先の供給地点特定番号の調べ方

引っ越しにともなって電力会社へ新たに電力供給を申し込む場合、引っ越し先の供給地点特定番号を聞かれることがあります。

聞かれるかどうかは、その物件の情報が全電力会社が共通使用するシステムに反映されているか、または各電力会社の申し込み受付方法などによります。

まずは、引っ越し先の供給地点特定番号が必要かどうか、新しく契約する電力会社に申し込んで確認しましょう。

新しく契約する電力会社に供給地点特定番号が必要か確認する

引っ越し先で新たに電力会社と契約を結ぶ場合、伝えた新住所から電力会社がスイッチング支援システムを使って供給地点特定番号を確認できれば、入居者に聞かれず手続きが完了します。

スイッチング支援システムとは

スイッチング支援システムとは、電気の供給者変更に必要な手続きを行うために開発された基幹システムです。

開発は電力広域的運営推進機関が中心となって行われ、電力託送契約の切り替えに係る、小売電気事業者と一般送配電事業者間の各種業務を支援するために使用されます。

ただし小売電気事業者によっては申込者から教えてもらう決まりになっているので、その場合は地域の旧一般電気事業者に問い合わせるのが確実です。

なお、ほとんどのケースで、新住所の供給地点特定番号が不明でも申し込み自体は可能です。

申し込みはできるんだけど、前の入居者がずっと廃止手続きを入れずにいたりすると、「この部屋であってますか?」と確認の電話が来たり、場合によっては契約に至れないケースが極稀にあるわ。

希望する電力会社があり、手続きをスムーズに進めたい場合は、あらかじめ確認しておく方が確実です。

特に、新築物件やメゾネットタイプの物件は次のようなケースから電力会社が情報を確認できないケースが多い傾向にあります。

特定が困難な理由
新築物件供給地点特定番号が
スイッチング支援システムに未反映
メゾネット物件物件に割り振られた部屋番号が
スイッチング支援システム内の
部屋番号と表記が異なり特定できない

引っ越し初日から安心して電気を使えるよう、なるべく早めに申し込み手続きをおこない、供給地点特定番号が必要か確認しておきましょう。

引っ越し先の大家や管理会社は基本的に把握していない

インターネットの情報のなかには、引っ越し先の供給地点特定番号について、建物の大家や管理会社に確認できると説明しているものも見られます。

しかし実際には、大家や管理会社が供給地点特定番号を把握しているケースは珍しく、基本的には回答を得られないと考えておきましょう。

前述のとおり、供給地点特定番号は個人情報として各電力会社に定義されているのに加え、大家や管理会社は必ずしも電気の知識について長けているわけではないため、回答を得るのは難しいでしょう。

ただし場合によっては、大家や管理会社に「電気メーターの計器番号」を確認することは可能です。

電気メーターの計器番号は供給地点特定番号と対になっているので、計器番号さえ分かれば、各電力会社が共通で利用している「スイッチング支援システム」で照会が可能です。

スイッチング支援システムとは

スイッチング支援システムとは、電気の供給者変更に必要な手続きを行うために開発された基幹システムです。

電気メーターの計器番号と対になった供給地点特定番号や、その地点で電気の需給契約の有無を確認できるほか、小売電気事業者の変更などの手続きを行えます。

供給地点特定番号を確認するために電力会社に問い合わせるなら、電気メーターの計器番号があると、電力会社も情報を探しやすいです。

新築だと、計器番号も供給地点特定番号もシステムに反映されていない、なんてこともあるわ。

東電や関電、北電などの大手電力会社に問い合わせるのが、最も確実と言えそうね。

現住所の供給地点特定番号の調べ方

現住所の供給地点特定番号の調べ方

現住所の供給地点特定番号を調べる方法は4つです。

  • 電気メーターに記載の計器番号を電力会社に照会する
  • 電力会社が発行する検針票・請求書で確認する
  • WEBサイトで確認する
  • カスタマーセンターへ問い合わせる

おすすめは、時間や書類の有無にかかわらず簡単に調べられる、WEBサイトでの確認です。

供給地点特定番号の確認方法を見ていこう。

電気メーターに記載の計器番号を電力会社に照会する

電気メーターに記載の計器番号を電力会社に照会する

最も確実な方法の1つが、引っ越し先の電気メーターに記載されている計器番号を電力会社に照会するという方法です。

電気メーターは各戸の使用電力量を計測するためのメーターで、現在ではスマートメーターが主流です。

このメーター本体には固有の計器番号が記載されており、他の本体と番号が重複しないため、計器番号から供給地点特定番号を照会できます。

現地に行きさえすれば簡単に分かるのがメリットですが、引っ越し先が遠方の場合は方法として現実的ではありません。

引っ越し先の場所と相談しながら決めてね。

電力会社が発行する検針票・請求書で確認する

電力会社が発行する検針票・請求書で確認する

現在の住所の供給地点特定番号は、検針票や請求書、電気料金明細書で確認できます。

検針票や請求書には、供給地点特定番号が必ず記載されています。

ただし、供給地点特定番号は電力会社によって記載されている箇所が異なるため、よく確認しましょう。

最近の電気料金の明細は紙での郵送が減り、WEB明細が主流になっているよ。

WEBサイトで確認する

WEBサイトで確認する

最近では、検針票を請求書をペーパーレス化している電力会社も増えてきています。

このような電力会社では、Web上のマイページから、使用した電力量や請求額を確認できますが、そのほかにも契約内容や供給地点特定番号の確認なども可能です。

主要な情報はマイページから簡単に確認できるので、ぜひチェックしてみてくださいね。

カスタマーセンターへ問い合わせる

供給地点特定番号は、電力会社のカスタマーセンターに連絡することでも確認できます。

電力会社は契約者の供給地点特定番号を把握しているので、本人確認ができ次第、すぐに教えてもらえます。

本人確認の方法は電力会社ごとに異なるので、契約者の名前や生年月日、電話番号のほか、契約番号やお客様番号なども用意しておきましょう。

電力会社の電話番号やお問い合わせメールは、契約している電力会社の公式ホームページに記載があるから確認するといいよ。

供給地点特定番号に関するよくある質問

供給地点特定番号に関するよくある質問

供給地点特定番号に関するよくある質問について紹介します。

供給地点特定番号とは?
供給地点特定番号とは、電気を使用する地点を特定するために設けられた22桁の番号です。
電力小売全面自由化にあわせて導入された番号で、すべての電力会社で共通の規格のものが利用されています。
電力会社を乗り換える場合は、供給地点特定番号を乗り換え先の電力会社に伝える必要があります。
>> 供給地点特定番号を詳しく見る
引っ越し先の供給地点特定番号の調べ方は?
引っ越し先の供給地点特定番号の調べ方は2つです。
・新しく契約する電力会社に確認する
・引っ越し先の大家や管理会社に確認する

おすすめは、新しく契約する電力会社へ確認する方法です。
大家や管理会社の場合、供給地点特定番号を把握していない可能性もありますが、電力会社は業界で共通使用している「スイッチング支援システム」から供給地点特定番号を調べることができます。
ただし、新築物件の場合、システムに情報が反映されていないケースもあるので、その際は一般電気事業者に確認するのが確実です。
>> 引っ越し先の供給地点特定番号の調べ方を詳しく見る
供給地点特定番号と契約番号の違いは?
電気の利用地点を特定するための「供給地点特定番号」に対し、「契約番号」は利用者との契約を管理するために電力会社が独自に付番した番号です。
供給地点特定番号は規格が統一されており、すべての電力会社で同一のものが使われていますが、契約番号はそれぞれの電力会社が社内で使用する番号に過ぎません。
そのため、契約番号が電力会社の乗り換え手続きなどで使われることはありません。

まとめ

最後に、供給地点特定番号についておさらいします。

  • 供給地点特定番号とは、電気を使用する地点を特定する22桁の番号
  • 供給地点特定番号は電力会社の契約の切り替えに必要
  • 引っ越し先の供給地点特定番号を調べるには、新しく契約する電力会社への問い合わせがおすすめ
  • 現住所の供給地点特定番号の調べ方は、電力会社の検針票や請求書またはWebサイトを確認する
  • 供給地点特定番号は居住地が特定できる個人情報なので取り扱いには要注意

供給地点特定番号とは、電気の使用地点がわかる全国一律の22ケタの番号です。

電力会社で共通の規格を使用しており、地域電力会社や新電力を乗り換える場合に必要です。

供給地点特定番号は、電力会社の乗り換えに必要なので、確認方法を把握しておくと便利よ。

供給地点特定番号は、現住所のものであれば、電力会社の請求書や検針票に記載されています。

引っ越し先の供給地点特定番号を調べたい場合は、新しく契約する電力会社に問い合わせましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。