【PR】記事内に広告を含む場合があります
「スマートメーターって何?」
「ブレーカーとは違うの?」
「スマートメーターの機能やメリットは?」
最近、「スマートメーター」という言葉を聞く機会が増えてきましたが、その実態を詳しく知らない人も多いのではないでしょうか。
従来のアナログメーターやブレーカーと何が違うのか、気になりますよね。
スマートメーターはアナログメーターの後継となる電力メーターで、すでに設置済みの住宅も多いです。
搭載された通信機能によって使用電力量の見える化が容易になるため、社会全体の省エネ化の促進が期待されています。
本記事ではスマートメーターの詳細を、搭載機能やメリットとともに解説します。
スマートメーターの設置タイミングや導入までの流れも紹介するので、使用電力量の測定と管理のしくみについて知りたい人は、ぜひ参考にしてください。
スマートメーターとは
スマートメーター(記録型計量器)とは通信機能が搭載された電力量計で、従来のアナログメーターとは違い使用電力量をデジタルで計測します。
総務省の主導で進められているスマートグリッドの実現には欠かせない存在として、全国的に導入が進められています。
2014年4月1日の「エネルギーの使用の合理化等に関する法律」(省エネ法)の改正後、大手電力会社は一斉にスマートメーター導入計画を発表しました。
計画は順調に推移し、2023年3月時点でのスマートメーター設置率は東京・中部・関西エリアで100%、全国でも96.4%を記録しています。
システムの改善も進められており、2025年度以降は随時次世代のスマートメーターに置き換えられることが発表されています。
スマートメーターの検定期間は10年間なので、2014年に設置された現行機種は今年以降、次世代のスマートメーターに順次交換される予定だよ。
スマートメーターの機能
スマートメーターには、従来のアナログメーターにはなかった様々な機能が備わっています。
- 30分ごとに電気の使用量を計測
- 通信機能による遠隔でのメーター確認
- ブレーカー機能
- HEMSとの連携による電力量の可視化
私たちの生活を便利にしてくれる機能ばかりなので、スマートメーターを導入済みの人もぜひチェックしてみてください。
30分ごとに電気の使用量を計測
従来のアナログメーターの検針は1ヶ月に1回でしたが、スマートメーターは30分ごとに電気の使用量を計測します。
1日の電気使用量を細かく分析することで電力会社は正確な電力需要を把握でき、よりニーズに合致したプランを消費者に提供できるようになります。
消費者も電気をよく使う時間帯が分かるようになるため、意識的に省エネに取り組めるようになるでしょう。
東京電力の場合、「くらしTEPCO web」というサービスを利用すれば1日の電気使用データがグラフで分かるわ。
電気の使い方が似ている家庭との比較もできるので、節電の目標も立てやすくなるわよ。
通信機能による遠隔でのメーター確認
スマートメーターには通信機能が搭載されているため、遠隔からの自動検針が可能です。
検針データは送配電事業者に送られた後に小売電気事業者へ共有され、そのデータをもとに消費者へ電気代が請求されます。
従来のような検針員による目視の検針が不要になるので、電力会社にとっては人件費や交通費の削減につながります。
消費者も引っ越し時の立ちあいが不要になるなど、自動検針によるメリットは大きいよ。
ブレーカー機能
スマートメーターにはブレーカー機能が内蔵されており、契約アンペア数以上の電気を使うと自動でブレーカーが落ちる仕組みになっています。
ブレーカーが落ちると停電してしまいますが、約10秒後に自動的に復旧するため、わざわざブレーカーを上げなおす必要はありません。
今まで分電盤の中にあったサービスブレーカー(1番左側のブレーカー)の機能が、スマートメーターの中に入っているイメージよ。
なお、基本的にスマートメーターの設置に合わせて従来の分電盤は撤去される方針になっていますが、現状では撤去されないケースが多いようです。
契約アンペアの変更がない場合は従来の分電盤のままでも問題ありませんが、気になる場合は電力会社に問い合わせてみましょう。
HEMSとの連携による電力量の可視化
スマートメーターとHEMS(ヘムス)を組み合わせることで、電力量がモニターにリアルタイムで表示されるようになります。
家電やソーラーパネルなどもHEMSに接続できるので、家庭内の使用電力を一元管理できます。
電力消費の多い時間を把握したらHEMSを使って該当時間の家電稼働を制御するなど、節電や省エネにも利用できます。
HEMSを使ったサービスはすでに始まっており、例えば東京電力では「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)」を提供しています。
Bルートというのは、スマートメーターからHEMSへデータを送る際のルートのことだよ。
導入コストの高さからか、2024年時点のHEMS使用率は全国で2.7%にとどまっていますが、政府は2030年までに全世帯への導入を目指しています。
HEMSが普及すれば各家庭での節電効果が高まり、国が目指す脱炭素社会へも大きく近づけるでしょう。
スマートメーターのメリット
様々な機能を持つスマートメーターは、私たちの生活に多数のメリットをもたらしてくれます。
- 訪問による検針が不要になる
- 見える化により省エネ・節電意識が高められる
- 停電時の復旧が自動で可能になる
- 高齢者見守りサービスも利用可能
- インセンティブ型デマンドレスポンスに参加できる
- アンペア変更の工事が不要になる
近くアナログメーターから交換予定の人は、ぜひスマートメーターならではのメリットをチェックしてみてください。
訪問による検針が不要になる
遠隔から自動検針が可能なスマートメーターを導入すれば、検針員による目視チェックが不要になります。
電気の使用停止・開始をする際の立ち会いも不要なので検針員の負担が減るだけでなく、電力会社は経費の削減が可能です。
また検針員による各家庭への来訪がなくなるので消費者のプライバシーも守られ、防犯面での心配も少なくなります。
「自宅に知らない人が来なくなる」というだけでも心理的負担が減るので、1人暮らしの女性にとってはスマートメーターの方が安心できるわ。
見える化により省エネ・節電意識が高められる
スマートメーターとHEMSなどを併用することで時間帯ごとの電力量や総量が把握できるようになるため、節電への意識を高められます。
これまでは「使わない家電の電源をOFFにする」など能動的に行動を起こさないと節電はできず、具体的にどれくらい節約できているのかも不明瞭でした。
しかしHEMSを利用すれば全ての家電を自動制御できるので、電気使用量などを設定した後は苦労せずに節電が可能です。
節電量や節約料金、節約のアドバイスを表示してくれるHEMS機器もあるぞ。
消費電力の「見える化」をすることで自分に最適なプランが一目瞭然になり、電気代の節約にも繋げられます。
導入コストの高さが難点のHEMSですが、長い目で見れば節電・節約効果の大きさは抜群で、省エネ化の実現には欠かせない存在です。
停電時の復旧が自動で可能になる
エリア単位で停電した場合、電力会社はスマートメーターの通電状況を確認した後に最適なタイミングで復旧してくれます。
アナログメーターにはブレーカー機能が内蔵されていないため、停電時の復旧には手動で分電盤のブレーカーを上げなおす必要がありました。
しかしスマートメーターには全てブレーカー機能が搭載されているので暗闇の中で作業する必要はなく、二次的な被害も防げます。
次世代スマートメーターには、停電の検知後に即座に警報を送信してくれる「Last Gasp機能」が搭載される予定よ。
これにより配電監視システムの制度が向上して、より迅速な復旧が可能になるわ。
高齢者見守りサービスも利用可能
一部の電力会社では、30分ごとの電力使用量が分かるスマートメーターの機能を活用した高齢者見守りサービスを提供しています。
離れて暮らす家族の活動状況がスマホ等から簡単に確認できるのはもちろん、万が一の事態を想定した機能が備わっているのも特徴です。
例えば中部電力ミライズコネクトが提供している「テラシテ」は電力使用量から家族の活動状況をデータ分析し、異変を察知したらプッシュ通知ですぐに知らせてくれます。
他にも緊急連絡先へワンタップで電話をかけられる等、便利な機能が揃っているよ。
またWi-Fiやネット環境などは不要で、スマートメーターさえ設置すれば利用可能な点もメリットだよ。
月額料金も550円と安く専用機器の購入も不要なので、家族を見守りつつ仕事や家事に集中したい人はぜひ利用してみましょう。
インセンティブ型デマンドレスポンスに参加できる
スマートメーターがあればデマンドレスポンスに参加でき、行動に応じたインセンティブを受け取れます。(インセンティブ型デマンドレスポンス)
インセンティブ型デマンドレスポンスに参加後、小売電気事業者から指定された時間帯に節電をすれば、消費者は電気代値引きなどのインセンティブを受け取れます。
これまでは、消費者が電力会社の呼びかける節電に協力しても、使用電力量が下がる以外のメリットはありませんでした。
しかしインセンティブ型デマンドレスポンスに参加したうえで節電をすれば、消費者は電気料金の割引やポイント付与などの特典を得られます。
明確なインセンティブを与えられるので消費者の節電への姿勢に変化が生まれ、より効率的な電力供給ができるようになるでしょう。
アンペア変更の工事が不要になる
スマートメーターを設置している場合、遠隔からアンペアの設定ができるため、契約アンペアを変更する際の工事は不要です。
従来のアナログメーターでは工事の際、立ち会いが必要だったり一時的に停電することもありましたが、スマートメーターならそのような面倒な工程をカットできます。
より気軽に契約変更ができるようになるので、自宅の電気の使い方に合わせた最適なアンペア数に調整しやすくなります。
次世代スマートメーターには、遠隔アンペア制御機能が搭載される予定よ。
規定値以上の電力利用を制限することで、計画停電の回避や災害時の対策などに役立つとされているわ。
スマートメーターのデメリット
メリットの多いスマートメーターですが、注意しておきたい点もわずかに存在します。
- プライバシーの漏洩リスクがある
- 電磁波の影響を懸念する人もいる
リスクを把握したうえで、スマートメーターの導入を検討しましょう。
プライバシーの漏洩リスクがある
スマートメーターは通信機能を使い電力データを送信しますが、万が一データが漏洩した場合は家族構成や自宅不在時間帯の推測に繋がってしまいます。
2016年1月の電気事業法改正以降は電気事業者以外の事業者も電力データを活用できるようになったため、第三者に個人情報が行き渡る可能性はゼロではありません。
しかし個人情報のやり取りについては、国による厳格な監督体制のもと行われる認定協会制度を採用しています。
情報提供は認定協会を通して行われ、消費者本人の同意が無い場合は絶対に個人情報が行き渡らない仕組みになっているわ。
各電力会社もセキュリティ強化に努めており、例えば東京電力では24時間体制で強力な監視体制を敷いています。
運用面での体制として、スマートメーターオペレーションセンターを設置し、セキュリティ監視やインシデント対応を24時間365日実施する体制を整備しております。
東京電力パワーグリッド
ハッキングなどの潜在的なリスクは依然として抱えているものの、国や電力会社の施策により個人情報漏洩のリスクは極限にまで抑えられています。
電磁波の影響を懸念する人もいる
スマートメーターは常に電磁波を放出する機器なので、人体への影響を懸念する声がしばしば見られます。
しかしこの問題に対して環境省は、世界保健機関(WHO)の見解を引用したうえで、「健康への悪影響はない」と発表しています。
厳密に言えば、電磁波による人体への影響は確かに存在するけど、スマートメーターや携帯電話などが発する電波程度では健康に何ら影響を及ぼさない、ということだよ。
また電波を発する機器の近くにいると頭痛や睡眠障害などの症状が出るとされている「電磁過敏症」も近年注目されていますが、医学的・科学的根拠は立証されていません。
よって、スマートメーターを導入しても健康への過度な心配は不要です。
スマートメーターの設置タイミング
スマートメーターが設置されるタイミングをまとめたので、アナログメーターから変更したい人はチェックしてみましょう。
- 電力会社を切り替えたとき
- 従来のアナログメーターの検定有効期間が終了したとき
- HEMSなどの電子メーター情報発信サービスを申し込んだとき
- 新築住宅を建設したとき
上記の中で思い当たる行動がある場合は、すでにスマートメーターが設置されている可能性が高いです。
しかし取り換えが困難な場所はアナログメーターから変わっていない場合もあるので、念のため電力メーターを確認してみましょう。
電力会社を切り替えたとき
2016年の電力自由化以降に電力会社を変更した場合、原則としてスマートメーターへの交換は必須になりました。
したがって、手っ取り早くスマートメーターに変えたい場合は電力会社の乗り換えがおすすめです。
現在は新電力会社が多数参入しているため、消費者は幅広い選択肢からプランを選べるようになりました。
電力会社を乗り換える時は、電気代がいくら安くなるのかしっかり試算することが大事だわ。
各社が実施しているキャンペーンなど、独自のサービスも比較して自分にぴったりのプランを見つけましょう。
電力会社を乗り換えてスマートメータを設置する流れは記事後半で詳しく解説するので、あわせて参考にしてください。
従来のアナログメーターの検定有効期間が終了したとき
電力メーターは計量法に基づき、5~10年の有効期間が設定されています。
一般的な低圧の単独メーターの場合は有効期限が10年で、この期限が終了した時にアナログメーターからスマートメーターに交換されます。
有効期限は、電力メーターに貼り付けられている検定証印で確認できるよ。
ちなみに、現行のスマートメーターの有効期限も10年だよ。
よって、こちら側からアクションを起こさなくても自動的にスマートメーターに変えられますが、早めに交換したい人は電力会社の乗り換えなどを検討しましょう。
HEMSなどの電子メーター情報発信サービスを申し込んだとき
HEMSなど、スマートメーターが必須のサービスを申し込んだタイミングでも交換が実施されます。
例えば東京電力が提供している「電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)」に申し込んだ場合、まずは東京電力が申し込み情報や計器情報を確認します。
問題がない場合はスマートメーターの取り換えが行われ、HEMS機器の設定を終えたらサービスが利用可能です。
本記事で紹介した高齢者見守りサービス「テラシテ」も、スマートメーターが必要なサービスよ。
スマートメーターが未設置の場合でも、サービスに申し込めば中部電力パワーグリッドが無料で設置工事をしてくれるよ。
新築住宅を建設したとき
新築住宅を建てる時は最初からスマートメーターが取り付けられるため、別途申し込みは不要です。
中古物件を購入する場合は、内見の時にスマートメーターが取り付けられているか確認しておきましょう。
スマートメーターが設置されている場合は、事前にネットから手続きを行えば引っ越し当日から電気を使えるようになります。
スマートメーターの導入までの流れ
新しい電力会社へ乗り換える場合を例に、スマートメーター導入までの流れを解説します。
電力会社と契約プランを決めたら、申し込み手続きを行いましょう。
最近はネット上で手続きが完了できる場合が多いので、すきま時間を見つけてスマホから簡単に申し込めます。
乗り換え手続きの際に供給地点特定番号やお客様番号などが必要になるので、手元に検針票や請求書を用意しておこう。
アナログメーターが設置されている場合は工事会社から工事日程の連絡がくるので、都合の良い日時をいくつかリストアップしておきましょう。
東京電力エリアの場合は、東京電力パワーグリッドの委託会社から連絡がきます。
電力会社が工事を行うわけではないので、覚えておきましょう。
指定日時に工事が実施され、スマートメーターが設置されます。
基本的にスマートメーターの設置費用は無料で、工事前にアナログメーターを取り外しておく必要もありません。
原則、停電せずに工事は進むので、普段通りの生活を送りつつスマートメーターの導入が完了できます。
工事関係者が家の中に立ち入ることはなく、不在時でも工事は可能よ。
立ち会いも不要なので、工事当日は基本的に申し込んだ側がやるべきことはないわ。
スマートメーターでよくある質問
スマートメーターのよくある質問をまとめました。
- スマートメーターとは?
- スマートメーターとは、従来のアナログメーターに代わる新しい電力メーターです。
通信機能が搭載されているのが特徴で、省エネ化や災害への対策など様々な面での活躍が期待されています。
すでに全国の9割以上の場所で設置が完了しており、2024年内には全世帯にスマートメーターが設置される予定です。
>> スマートメーターについて詳しく見る
- スマートメーターの機能は?
- スマートメーターには様々な機能があります。
・30分ごとの電力使用量計測
・通信機能
・ブレーカー機能
・HEMSとの連携機能
1日の電力使用量を細かく把握することで、電力会社は消費者のニーズに合ったプランを提供できるようになります。
HEMSと連携すれば電力の「見える化」も実現するため、消費者の節電意識も高められるでしょう。
>> スマートメーターの機能を詳しく見る
- 自宅にスマートメーターが設置されているか確認するには?
- まずは家の外に出て自宅の外周をまわり、電力メーターの設置場所を探してみましょう。
電力メーターを見つけたら、「液晶画面にデジタル数字が表示されているか」を確認してみてください。
デジタル表記ならスマートメーターです。
アナログメーターには液晶画面自体が無く、機器が全体的に透明で内部構造が見えるものが多いです。
まとめ
最後に、スマートメーターについてもう1度おさらいしましょう。
- スマートメーターとは、通信機能が搭載された新しい電力メーター
- 電力使用量は30分ごとに計測され、遠隔からメーター確認が可能
- 訪問検針が不要、停電時に自動で復旧など様々なメリットがある
- 個人情報漏洩のリスクはあるが、電磁波による人体への影響はない
- すぐに導入したい場合は電力会社の乗り換えがおすすめ
スマートメーターは2024年内に全世帯への設置が完了する予定です。
アナログメーターから交換するデメリットは基本的になく、省エネや節電に繋がるためメリットの方が遥かに大きいです。
設置費用も無料なので、まだ交換が済んでいない人は本記事も参考にしながら導入してみましょう。
新電力に乗り換えれば、手っ取り早くスマートメーターに変えられるぞ。
自分に合ったプランを選べば電気代が安くなる可能性もあるので、一石二鳥だね。
電力だけでなく医療や運輸業など様々な業界で有効活用されているスマートメーターは、今後も私たちの生活を支えてくれる心強い存在になるでしょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。