5人家族の電気代の平均は?季節ごとの目安を解説

5人家族電気代の平均

「5人家族の電気代の平均は?」
「電気代の内訳は?」
「5人家族で電気代を節約する方法は?」

5人家族だと電気代はかなり高くなりますよね。

この数年は電気料金の値上がりが続いているので、電気代を少しでも節約したい人は多いのではないでしょうか。

総務省統計局の家計調査によると、2023年度の5人家族の平均的な電気代は1ヶ月13,009円です。

激変緩和措置の終了と再生エネ賦課金の値上がりなどで電気代はさらに高くなるため、電気代を節約するなら新電力への切り替えがおすすめです。

本記事では、5人家族の電気代やその内訳、節約方法について詳しく解説します。

電気代の全国平均額と比較しながら、最適な節約方法で電気代を賢く節約しましょう。

5人家族の1ヶ月の電気代の平均は13,009円

5人家族の1ヶ月の電気代平均

総務省統計局が実施した家計調査によると、2023年4月~2024年3月の5人家族での平均的な電気代は、1ヶ月あたり13,009円です。

家族の
人数
1ヶ月あたりの
電気代の平均額
年間の電気代合計平均額
1人
暮らし
6,078円72,933円
2人
暮らし
10,057円120,684円
3人
暮らし
11,662円139,944円
4人
暮らし
12,070円144,834円
5人
暮らし
13,009円156,105円
総務省統計局が実施した2023年4月~24年3月の家計調査より

電気の使用量は家族の数や家の面積に応じて増えるため、1人暮らし2人暮らしとでは約4,000円もの差があります。

しかし3人暮らし以上では子どものいる家族の割合が増え、同じ部屋で過ごす割合が高くなるため、上がり幅は緩やかです。

1人暮らしの電気代が6,078円なのに対し、4人暮らしでは12,070円と差は約2倍しかありません。

人数差からイメージするよりも、料金差は小さいよ。

上記の電気代の平均額は「激変緩和措置」という割引が適用されていた時期のデータにもとづきます。

激変緩和措置とは?

激変緩和措置とは、2023年に日本政府が行った電気・ガス料金の値引き措置のことです。

ロシアのウクライナ侵攻によって生じた燃料価格の高騰は、電気・ガス料金の大幅な値上げを引き起こしました。

なかには電気代が数倍に達したケースもあったため、電力会社への補助金の交付を通じて、2023年から2024年にかけて継続的に値引きが実施されました。

一般家庭で使用される低圧電気の場合、23年1~8月使用分は7円/kWh、23年9月~24年4月使用分は3.5円/kWh、24年5月使用分は1.8円/kWhが申請不要で割引されましたが、24年5月末をもって激変緩和措置は終了しています。

2024年5月末をもって激変緩和措置が終了したことに加え、再生可能エネルギー発電促進賦課金も値上がりしたため、2024年6月以降の電気代の平均額はさらに上昇する見込みです。

季節ごとの1ヶ月の平均電気代

電気代は季節によって大きく変化しますが、総務省統計局の家計調査によると、2023年度の5人暮らしの季節ごとの電気代は、およそ11,124~16,305円です。

調査年月5人家族の1ヶ月の電気代平均額
2024年
1~3月
16,305円
2023年
4~6月
13,130円
2023年
7~9月
11,124円
2023年
10~12月
11,476円
総務省統計局が実施した2023年4月~24年3月の家計調査より

電気代が最も高い季節は1~3月で、暖房器具の使用に加えて在宅時間も長くなりやすいこと、電気の使用量が増えることが原因として挙げられます。

冬に電気代が跳ね上がって驚く人が多いので、心づもりをしておこう。

冬に次いで電気代が高い季節は春で、花粉や梅雨の影響から洗濯乾燥機を使う機会が増えたり、エアコンの除湿運転をしたり、地域によっては4月も暖房を使用するためと考えられます。

夏はエアコンの使用が増えますが、日照時間が長くなり電灯を使う時間が短くなるため、電気代は秋と同じくらいです。

地域ごとの1ヶ月の平均電気代

地域によっても電気代は異なります。

2019年に実施された全国家計構造調査によると、関東や九州・沖縄は比較的安いです。

地域地域別の電気代平均額
北海道14,205円
東北13,441円
関東12,814円
中部14,990円
近畿13,495円
中国13,632円
四国15,256円
九州・沖縄12,877円
2019年全国家計構造調査 より

電気代の地域差が生まれる理由は、電力の使用量に差にくわえて契約できる電力会社や料金プランの違いもあります。

電気料金は発電所のエネルギー構成比や発電所から使用場所までの距離、送配電に必要な設備の維持管理費など複数の要素から決まります。

発電コストの安い原子力発電により電気を調達できるエリアや大手電力会社より価格が安くなりやすい新電力会社の競争が激しい地域は、電気代が安くなりやすいんだ。

電気代の内訳

電気代の内訳

電気代が高い理由を知りたいなら、電気代の内訳を確認してみましょう。

電気代の内訳は、検針票や請求書で見られます。

多くの電力会社では次の4項目の合計額が電気代として請求されています。

電気代=基本料金+電力量料金 ± 燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金

それぞれの項目について解説していきます。

検針票の内容は、電力会社のサイトやアプリから「WEB検針票」で確認できるぞ。

①基本料金

基本料金とは、電力会社と契約すると毎月発生する料金です。

金額は電力会社ごとに異なり、アンペア数に比例していることが多いですが、基本料金が0円の新電力会社もあります。

基本料金の目安額として東京電力エナジーパートナーのスタンダードS(関東エリア)の基本料金を例にあげると、5人家族に多い50Aの基本料金は1558円75銭です。

②電力量料金

電力量料金とは、使った電気の量に応じて発生する金額のことです。

「1kWh(キロワットアワー)」という単位あたりで計算されます。

電力量料金=使用電力量(kWh)×電力料金単価(円/kWh)

電力料金単価も基本料金と同様、電力会社によって異なります。

料金設定は大きく分けて3パターンです。

  • 段階制:使用電力量に応じて異なる電力料金単価が適用される
  • 固定単価:使用電力量によらず電力料金単価が一律
  • 市場連動型:電力取引市場に連動する形で電力料金単価が常に変動する

それぞれの特徴をしっかりと理解して、自分にあった料金プランを選びましょう。

段階

段階制は、電力量の料金単価が段階的に設定されているのが特徴で、使用電力量が一定量を超えると、単価の段階が上がります。

たとえば東京電力の従量電灯Bの場合、月間の使用電力量の積算が120kWh、300kWhを超えると、単価の段階が変わります。

使用電力量電力料金単価
(東電EP・従量電灯B)
120kWhまで29円80銭
300kWhまで36円40銭
300kWhを超えた分40円49銭

段階制は非常に多くの電力会社で採用されており、段階が上がるごとに電力量料金単価が上がっていくのが一般的です。

計算が比較的しやすく、節電意識が高まりやすいのが特徴よ。

固定単価制

固定単価制は、単価が完全に固定されています。

電気の使用量に対して金額が比例するため、電気を使う量が2倍、3倍に増えると、電力量料金も2倍、3倍と上がります。

市場連動型

市場連動型では、日本卸電力取引所の価格に連動して電気料金の単価が決まります。

電気の市場から電気を調達する新電力会社は、30分単位で変化する卸価格に応じて、電力料金単価を決定します。

特定の時間帯に電気を安く使えるプランもあり、自分の生活スタイルと合えば魅力的である一方、冬場や災害時など電力供給量がひっ迫した際には急激に価格が上昇するリスクがあります。

世界規模の時勢の変化があった場合に、価格変動のインパクトが大きい場合があるわ。

③燃料費調整額

燃料費調整額とは、発電に必要な液化天然ガスや原油などの燃料価格の変動に対する調整費用です。

輸入先国の情勢や円安/円高による燃料価格の変動に応じて加算、または差し引きされます。

燃料費調整額の算定方法は電力会社によって異なり、例えば東京電力エナジーパートナーは3ヶ月間の貿易統計価格に基づいて燃料費調整単価を算定し、2ヶ月後の電気料金に反映しています。

燃料費調整額=使用電力量(kWh)×燃料費調整単価(円/kWh)

燃料費調整額は電気の使用量に比例して請求されるため、燃料費調整額を安くおさえるには、電気の使用量を減らす必要があります。

一部、燃料費調整額の上限が定められている契約プランや燃料費調整額を請求せず電力量料金に上乗せしている電力会社もあります。

たかし
たかし

最近では、燃料調整費の高騰が料金に大きな影響を与えているぞ。

燃料費調整単価は使用者の努力で変えられるものではないので、節電などで対策するしかないね。

④再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金

再生可能エネルギー発電促進賦課金は、太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーによる発電を行う事業者を支える費用です。

近年、世界規模で「環境に優しいエネルギーの普及拡大」を目指す動きがあり、日本でも再生可能エネルギーで発電している事業者から電気を固定価格で買い取る「固定価格買取制度」が新設されました。

固定価格買取制度とは

固定価格買取制度とは、再生エネルギーによって作られた電気について、電力会社が一定期間、固定価格で買い取ることを国が保証する制度です。

「Feed-in Tariff」の頭文字を取って「FIT」とも呼ばれています。

固定価格買取制度の開始当初は政府の補助金もありましたが、次第に買取費用が増加したことから、費用を電力利用者が負担するしくみになりました。

再生可能エネルギー発電促進賦課金=使用電力量(kWh)×再生可能エネルギー発電促進賦課金単価(円/kWh)

電力量料金や燃料費調整額と同様、再生可能エネルギー発電促進賦課金も電気の使用量に比例します。

再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、電力会社によらず一律です。

再生可能エネルギー発電促進賦課金が設けられている場合、費用は電力使用量に応じて生じるわ。

項目自体をなくすことはできないので、電気代を抑えたいなら節電で対策しましょうね。

2024年5月以降は再生可能エネルギー発電促進賦課金が上昇

再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は、経済産業省が決定しています。

年に1回見直しが行われていますが、2024年5月使用分からは2年ぶりの大幅な値上げが実施され、前年度より2.09円/kWhも高い3.49円/kWhとなりました。

再生可能エネルギー発電促進賦課金単価
2024年5月検針分以降3.49円/kWh
2024年4月~
2023年5月検針分
1.40円/kWh

5人家族でひと月に300kWh~400kWhの電気を使用する家庭では、再エネ賦課金だけで毎月約627円~836円も増加します。

電気代が高くなったと感じる要因の一つになるでしょう。

5人家族の電気代を節約する方法

5人家族の電気代を節約する方法

5人家族の電気代を節約する方法は6つあります。

  • 家族構成に合わせてアンペア数を下げる
  • 家電や照明をこまめに消す
  • 照明をLED電球に替える
  • 古い家電を買い替える
  • 太陽光電池や蓄電池を導入する
  • 新電力会社へ乗り換える

詳しく解説します。

家族構成に合わせてアンペア数を下げる

多くの電力会社では、契約アンペア数を下げることで基本料金が安くなります。

アンペア数とは同時に電気が流れる量を示し、アンペア数に比例して基本料金が上がる電力会社が多いためです。

5人家族だと50A(アンペア)で契約する人が多いですが、可能であれば40Aに下げてみましょう。

アンペア変更による
基本料金1ヶ月分の
節約額
1年間での
合計金額
5年間での
合計金額
311円75銭3,741円18,705円
例.東京電力エナジーパートナーの一般家庭向けプラン「従量電灯B」を使用した場合

節約金額は1ヶ月あたり数百円程度ではあるものの、継続することで効果は大きくなります。

注意点は、家族構成や暮らし方に合わせたアンペア数を選ぶことです。

節約のためだからとアンペア数をむやみに下げると、契約アンペア数を超えて電気を使用した際にブレーカーが落ちてしまいます

家電を同時に使用した際のアンペア数の合計が契約アンペア数を超えないようにしましょう。

家電の種類別にみると、IHクッキングヒーターやエアコンなど、熱を発する家電は消費電力が大きいです。

エアコンのように、運転開始直後に一時的に電力消費が大きいものもあります。

消費電力の大きい
家電の例
アンペア数の目安
200Vの
卓上IHクッキングヒーター
20~30A
10畳用
インバータエアコン
暖房立ち上がり時
20A
アイロン14A
100Vの
食器洗い乾燥機
13A
IHジャー炊飯器13A
容量9㎏の
ドラム式洗濯乾燥機
乾燥機能運転時
13A
ヘアドライヤー12A
掃除機10A
電気ケトル10A

自身や家族の生活をよく振り返り、消費電力の多い家電を一斉に使うシーンはないか確認してみましょう。

また物件やエリアによっては、アンペア数の変更ができないケースもあります。

家電や照明をこまめに消す

使用していない家電や照明をこまめに消すことで、大きな節約効果が生まれます。

電気の使用量が減ると、電力量料金・燃料費調整額・再生可能エネルギー発電促進賦課金の節約にもなります。

最近は人感センサー機能やオートオフ機能付きの家電で手頃な価格帯のものも増えたので、購入を検討するのもよいでしょう。

照明をLED電球に替える

照明機器をLED電球に替えると節電効果が高いです。

LED電球の消費電力は白熱電球の約20%、蛍光灯の約30%なので、使い方を変えなくても電力使用量を減らせます。

LED電球は白熱灯より値段が高く、節約になるからと家じゅうの照明を一気にLED電球に変えると費用がかさむので、買い替えのタイミングを待つかよく使う場所から順番に替えましょう。

古い家電を買い替える

最新の家電は省エネ性能が大変高いので、古い家電を買い替えるだけで電力使用量が減り、節約できることがあります。

特に、ファミリー層向けの容量が大きい家電ほど節電効果が高く作られる傾向があり、450Ⅼ前後の冷蔵庫を最新機種に買い替えるだけで年間約12,000円の電気代が削減できると言われています。

買い替えを検討する際は、節電効果が高い商品に付けられた、緑の「統一省エネラベル」を目印にすると探しやすいです。

太陽光電池や蓄電池を導入する

戸建ての購入を考えているなら、太陽光パネルの設置&蓄電池の導入もおすすめです。

日中に使う電気を太陽光発電でまかなえば、電力会社からの買電量を減らせて節約につながります。

蓄電池があれば日中に発電した電気の余剰分を蓄えられ、夜間など発電が難しい時間帯にも使用できるので、電気代をさらに下げられます。

太陽光発電や蓄電池に関連する補助金・キャンペーンも充実しているよ。

例えば2024年6月現在、東京都内であれば国と都から合計160万円前後の補助金が出るよ。

今ならお得に導入できるので、ぜひチェックしてみよう。

新電力への乗り換えも電気代の節約に効果大

最もおすすめの節約方法が、新電力会社への乗り換えです。

手続きもWEBから数分と簡単にでき、一度行うと節約効果が無理なく長続きします。

2016年に家庭用電力の小売り自由化が始まって以来、さまざまな電力会社がサービスやプランを拡充させており、新電力会社に乗り換えると、などたくさんのメリットがあると人気です。

▼新電力の代表的なメリット

  • 地域の電力会社よりも料金が安くなることが多い
  • ガスやスマホとセットにすることで料金が割引になる
  • いつも使っているポイントを貯めやすい
  • 家計管理がしやすい

また、5人家族で暮らす場合は、子供の成長やライフスタイルに応じて使用する電力量や時間帯が変化するでしょう。

電力会社や電力プランを変えたことがない方は、いつの間にか家族の人数や暮らし方に合わなくなり、知らずに高い電気代を払っているかもしれません。

この機会に、あなたに合った電力会社への乗り換えを検討してみましょう。

5人家族の電気代でよくある質問

5人家族の電気代でよくある質問

5人家族の電気代のよくある質問をまとめました。

5人家族の1ヶ月の電気代は?
総務省統計局が2023~2024年に実施した家計調査によると、5人家族での平均的な電気代は1ヶ月あたり13,009円です。
>> 5人家族での平均的な電気代を見る
5人家族の冬の電気代は?
総務省統計局が2023~2024年に実施した家計調査によると、5人家族の冬の平均的な電気代は16,305円です。
他の季節と比べると突出して高く、最大で1.4倍程度の料金差があります。
>> 5人家族の冬の平均的な電気代を見る
5人家族の電気代を節約する方法は?
5人家族の電気代を節約するには、下記の方法があります。
・契約アンペア数を下げる
・家電や照明をこまめに消す
・照明をLED電球に替える
・古い家電を買い替える
・太陽光電池や蓄電池を導入する
・電力会社を乗り換える

節電が電気代の節約のための基本的な方法ですが、電気の単価そのものを見直すために電力会社自体を乗り換えるのもおすすめです。
>> 5人家族の電気代節約方法を見る

まとめ

最後に、5人家族の電気代と節約方法についてのおさらいです。

  • 総務省統計局が実施する家計調査によると、2023年度における5人家族の平均的な1ヶ月の電気代は13,009円
  • 電気代は季節による変動が大きく、冬場は16,000円以上にもなる
  • 電気の節約方法には、契約アンペア数を下げる、使用しない家電の電源をこまめにオフにする、省エネ家電への買い替えなどがある
  • 手続きも簡単で節約効果が無理なく続くため、新電力への乗り換えもおすすめ

総務省統計局が実施した家計調査によると、5人家族の平均的な電気代は1ヶ月あたり13,009円です。

同じ5人家族でも家族構成やライフスタイルによって電気代は異なりますが、2024年に激変緩和措置が終了したことで、電気代の平均額は今後さらに上昇すると見られます。

まずは統計の平均額と毎月の支払額を比較し、下記のうちどれを下げられそうか把握することが節約の第一歩です。

  • 基本料金
  • 電力量料金単価
  • 燃料費調整額
  • 電気の使用量

家電の使い方を見直すことも大切ですが、さらに節約したい場合は、新電力への乗り換えがおすすめです。

手続きも簡単でWEB上ですぐに終わるので、電気代の高騰が見込まれるこの機会にぜひ検討してみましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。